来日4年、目標の介護士 「日本でずっと働きたい」 トリシャさん(フィリピン出身)


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施設利用者の血圧を測るイラノ・マリトリ・トリシャ・イグナシオさん=南城市大里の特別養護老人ホーム「東雲の丘」

 【南城】憧れの日本で働きたい―。沖縄県南城市大里の特別養護老人ホーム「東雲の丘」(石島衞理事長)で就労しているフィリピン出身のイラノ・マリトリ・トリシャ・イグナシオさん(28)がこのほど、介護福祉士国家試験に合格した。「日本でずっと働きたい」と夢見て来日し、今年で4年目。「応援してくれた家族や友達、職員や施設の利用者の皆さんに『ありがとう』と言いたい」と感謝を口にした。トリシャさんは6月に一時帰国した後、再び日本で介護の仕事を始める。

 東雲の丘は県内の介護施設では唯一、国際厚生福祉事業団が実施する経済連携協定(EPA)に基づく介護福祉士候補者を、インドネシアとフィリピンから受け入れている。これまで28人を受け入れた。

 EPA介護福祉士候補者は3年以上の介護施設就労の後、試験を受験。ビザの関係で4年しか国内に滞在できないが、資格習得後は介護福祉士として日本で働き続けることができる。

 日本の漫画やアニメが大好きなトリシャさん。日本での生活を夢見て、2014年に横浜で日本語研修を受けた後、東雲の丘で介護の仕事を始めた。

 終業後や休日を利用し、日本語の習得と介護福祉士の試験勉強に取り組んだ。試験本番では外国人受験者用のふりがな付きの問題用紙は使わず、日本人と同じ問題用紙で問題を解き、見事合格した。

 職員からは「とても仕事が丁寧で、字もすごくきれい」と評判。利用者の女性も「いつも笑顔で元気をくれるよ」と親しみを込める。トリシャさんは「もっと日本語の勉強をしたい。日本で介護の仕事を続けたい」と話し、さらなるスキルアップを目指す決意だ。