スポーツ通し地域貢献 アスリート工房、待機対策で学童開設


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壁画の前で笑顔を見せる児童ら=9日、宜野湾市大謝名

 【宜野湾】運動能力の向上や健康増進を目的にスポーツクラブを運営する一般社団法人「アスリート工房」が4月、宜野湾市大謝名に小学生を受け入れる学童クラブを開設した。学童の待機児童が多い宜野湾市の課題解決に貢献する。同法人の学童クラブ運営は初めて。譜久里武代表(47)は「スポーツを通した地域の問題解決が私たちの理念だ。取り組みで地域を明るくしたい」と語る。

 2013年に発足したアスリート工房は現在、県内8カ所にスポーツクラブを構え、走り方の指導などを実施している。「スポーツを通した問題解決」を理念に掲げ、障がい者専用の陸上競技プログラムや、沖縄大学と連携した地域の健康づくりなどに力を入れている。

 学童クラブ事業も地域の課題解決への取り組みの一環。譜久里代表が今年初め、宜野湾市の学童の待機児童数が県内市町村で多いことを知り、4月に早速開設した。放課後に宿題など勉強を支援するほか、陸上競技場で走り方を指導するなどアスリート工房ならではのサービスも提供する。

 「地域を明るくしたい」との願いも込める。4月には譜久里さんが懇意にする画家の座間味篤さんが学童クラブの外の壁に絵を描いた。大きさは縦約1・5メートル、横約20メートル。カラフルな色彩で朝の元気良さや夜の落ち着きなどを表現し、「大切な一日」を描いたという。座間味さんは「子どもの心と体を養い、才能を伸ばしてほしい」とエールを送った。

 はごろも小2年の天久海翔君(7)は「競技場でみんなで走ったりして楽しい」と笑顔。大謝名小2年の屋宜瑛力斗君(7)は壁画について「漫画家になりたいから、あんな絵が描けるようになりたい」と目を輝かせた。

 譜久里代表は「今後も必要に応じて学童事業を展開したい。子どもの健全育成は、スポーツ界で活躍する子どもの育成にもつながる」と語った。問い合わせはアスリート工房(電話)080(3188)2170。