完全受注で服飾サイト 7月開始目指す 高品質を低価格で


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オンラインショッピングサイト「SCALES」で販売予定の商品を手に笑顔を見せるアジアアロワナの山内真社長=21日、宜野湾市普天間のショールーム

 アパレルベンチャーのアジアアロワナ(山内真社長)は、アパレル商品を完全受注生産するオンラインショッピングサイト「SCALES(スケールズ)」の立ち上げを計画している。売れ残り在庫の値引き販売や廃棄を見込んだコストを価格から排除することで、高品質な商品を低価格で供給する。注文が増えるほど販売価格がリアルタイムで下がっていく仕組みで、アパレル業界に変化を起こす新たなビジネスモデルとしても注目を集めそうだ。

 5月30日からクラウドファンディングサイト「Makuake」で先行サービスを始め、7月の本サービス開始を目指す。

 スケールズは販売する商品をウェブに掲載してから1カ月程度注文を募り、数量を固めて商品を発注する。発注先は一流メーカーの縫製を請け負う中国などの工場に依頼する。

 商品価格は注文数量が増えるほど量産効果で下がるが、最終的な価格は数量がまとまった段階で決まる。受注初期に注文した人もメリットが及ぶ仕組みだ。

 注文から1~3カ月で商品到着する見込み。商品価格の内訳も公開し、利益は10~30%程度とする。初年度は毎月20アイテムを販売し、年間の売り上げは2800万円を目指す。

 価格競争力を生かし「いい商品を安価に提供する」(山内社長)ことをコンセプトに販売していく。ブランドによって変わるが、従来1万5千円程度で売られていたシルクカシミヤのセーターを、スケールズでは4500円から始められるという。

 完全受注生産のためサイズ展開を細かく設定できることも特徴だ。クレジットカード決済と基本とし、発注が決まった時点で販売商品の売り上げが確定する。海外の工場への支払いも滞りなくできるようになり、製造業者側にもメリットがあるとした。

 将来的には若手が自らデザインした品を販売するプラットフォームとしても門戸を開き、独創性あふれる商品の展開を目指す。

 これまで商社などに勤務し、アパレル業界に携わってきた山内社長は「内部にいたからこそコスト構造に問題を感じ、もっと安価にできるのにと考えてきた」と振り返る。新サービスで「デザイナーも工場も消費者も幸せになれる、新しい消費行動を促したい」と意気込んだ。

 県産業振興公社から2017年度の「ベンチャー企業スタートアップ支援事業」にも採択されている。