「米軍協力で英語教育」 自民、沖縄振興で提言 政府指針に反映へ


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 【東京】自民党が関係省庁に提言する政策要綱「今後の沖縄振興の方向性について」において、国際社会で活躍する人材育成を目的に「在日米軍の協力を得て、英語教育の一層の充実を図る」との文言を盛り込んだことが24日、分かった。提言を政府の経済財政指針「骨太方針」に反映させ、関連事業を内閣府の沖縄関連予算に盛り込む考え。米軍基地の存続を前提にした振興政策となりかねず、自民党関係者からも「基地の整理縮小と矛盾する」などと指摘する声がある。

 提言は自民党沖縄振興調査会などが18日に開いた合同会議で大枠をまとめ、西普天間住宅地区跡地の沖縄健康医療拠点形成に向けた国の財政支援などを盛り込んだ。一方、会議では出席議員から英語教育に関する文言の追加を求める声が上がっていた。そこで、米軍を活用して英語教育を図る記述が追加された提言書が24日の党政務調査会で決定した。沖縄振興調査会などが近く関係省庁に手交する。

 現時点で具体的な事業は決まっていないが、米兵の家族など米軍関係者が公立学校で英語による授業を行うことや、アメリカンスクールとの「相互ローカル留学」、学校行事での交流などを想定しているという。

 文言追加を主導した沖縄振興調査会会長の猪口邦子参院議員は「基地がハンディキャップだけでなく子どもたちのチャンスになる。米軍にも日本の社会理解が進むかもしれない」と主張した。