全日本重量挙げ 宮本、けが越え快挙


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男子69キロ級 スナッチ151キロで日本新記録を樹立した宮本昌典=25日、石川県のいしかわ総合スポーツセンター(日本ウエイトリフティング協会提供)

 重量挙げの全日本選手権は25日、金沢市のいしかわ総合SCで開幕し、男子69キロ級の宮本昌典(沖縄工高―東京国際大)がスナッチで日本新記録の151キロを記録するも、トータルでは1位と1キロ差の323キロで2位だった。昨年の世界選手権2位で、男子62キロ級5連覇を狙った糸数陽一(豊見城高―日本大出、警視庁)は1位に1キロ差の2位だった。56キロ級の玉寄公博(南部工高―自衛隊体育学校)は234キロで3位。女子53キロ級の佐渡山彩奈(宮古工高―平成国際大出、いちご)はトータル186キロで2位だった。

◆「世界への気持ち強く」
 本番直前の練習で右足首を痛めていた宮本昌典(沖縄工高―東京国際大4年)。気持ちを切り替えて臨んだスナッチを1試技目から次々と成功させ、日本新記録の151キロも集中して差し上げた。ジャークは172キロと失速し、トータル323キロで2位と、3連覇を逃した。宮本は「調子は良くなかったが、日本新記録はうれしい」とひかえめに喜んだ。

 昨年9月の腰椎疲労骨折から復帰したものの、試合直前の練習で右足首をひねるトラブルに見舞われる。しかし「もう記録ではなく、優勝を狙っていこう」と開き直って臨んだことで、全身の力みが抜けた。

 スナッチは1試技目から141キロ、146キロに成功。大一番となった151キロも力強く差し上げるとガッツポーズで喜びを爆発させた。一方、ジャークは172キロを成功させた後、2度177キロに失敗した。自己ベストの180キロに遠く及ばない結果に「調整不足。情けない結果だ」と声を落とした。

 本大会の結果から、アジア大会(8月、インドネシア)への出場が近づいた。アジア大会は、2020年の東京オリンピック出場へ向けた大事な前哨戦だ。宮本は「世界で戦うという気持ちをさらに強めたい」と本大会で苦しんだコンディション調整をしっかり見直し、次戦を見据えた。