「沖縄を共同体拠点に」 ガルトゥング氏 平和シンポで提言


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 【東京】青山学院大学国際研究センターは25日、「東アジアの平和をどう作るか?」と題したシンポジウムを都内の青山学院で開いた。平和学の権威のヨハン・ガルトゥング氏と鳩山由紀夫元首相らが登壇した。ガルトゥング氏は、150年前に体制を変革させた明治維新の精神にならい、今こそ「日本維新」が必要だと提起した。

平和学の権威のヨハン・ガルトゥング氏と鳩山由紀夫元首相らが登壇したシンポジウム「東アジアの平和をどう作るか?」=5月25日、東京・青山学院大

 ガルトゥング氏は尖閣諸島の領有権問題で、日中共同管理による摩擦回避を改めて提案し「積極的平和の実践の場にできるのではないか」と述べた。戦争回避の具体策として東アジア共同体の構築の必要性を訴え「沖縄を共同体の拠点機能として提案していき、特別県との視点もある」と持論を展開した。

 さらに日本政府による琉球併合(琉球処分)など沖縄への傷の和解は考えられるべきだと指摘した。戦争回避を巡っては「戦争を解決の方策に使う国家はなくなっている。安倍政権に時代遅れのやり方だと言ってあげたらいい」と述べた。その上で今、世界で米国の影響力が低下していると指摘。日本はそれに追随すべきではないと警鐘を鳴らした。

 鳩山元首相は「北朝鮮の脅威もかなり誇張された形で言われてきた。今必要なのは対話を通じて平和を作っていこうという方向だ」と強調した。

 討議には、木村朗鹿児島大学教授と青山学院大の羽場久美子教授も登壇した。

英文へ→Johan Galtung advocates that “Okinawa should become the central hub of the East Asian community” at peace symposium