沖縄ツーリスト(OTS、東良和会長)が働き方・休み方改革や多様性のある職場作りで注目を集めている。社員やその家族らが自社の商品で旅行に行く際、ツアー代金の最大半額を社が割り引くなど旅行業者ならではの取り組みを展開。日本旅行業協会(JATA)がこのほど発表した会長表彰で、働き方・休み方部門で審査員特別賞、ダイバーシティ推進部門で奨励賞を受賞した。
旅費の支援は伸び悩む職員の有給休暇の取得促進などを目的に2017年1月から始めた。勤続5年以上の正社員、契約社員を対象に5年間に1回の頻度で補助する。本人とその子どもら1親等まではツアー代の半額、2親等は30%を支援する仕組みだ。
5月末までに約30人、同行者も含めて約70人が利用した。OTS総務部の藤井雅士副部長は今年2月にさっぽろ雪まつりツアーに家族で参加した。「社員が自社商品を見直すいい機会にもなる」と語る。
健康増進に向け「OTS全社社員禁煙化プロジェクト」も立ち上げた。喫煙する社員に加熱式タバコ「アイコス」を配布しタバコ離れを促す一方、喫煙していない社員には1万円を配り健康管理の意識付けを進めた。20年までに全社員が非喫煙者になることを目指す。
また、外国人が多い部署を中心に職場内の多文化理解を促す研修を実施した。全社員の10%に相当する約70人の外国人が勤務する中、一部では日本人社員との間で認識にズレも生じており、その改善を狙うもの。
成果としてグローバル人材ビジネス実務検定3級に受験者の92%が合格したほか、訪日客への対応力向上など業務の質の向上にもつながっているという。
平良健社長は「JATA会長表彰で表彰され大変うれしい。今後も取り組みを継続し、来年は大賞を取れるように頑張りたい」と意気込みを語った。