戦争の道 二度と歩まない 沖縄県ガールスカウト第36団 白梅の塔清め誓い新た


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元白梅学徒の中山きくさん(右)から感謝の思いと戦争体験を聞く子どもたち=3日、糸満市真栄里の白梅の塔

 今月23日の慰霊の日を前に、沖縄県ガールスカウト第36団の子どもたちが3日、沖縄戦で亡くなった県立第二高等女学校関係者をまつる糸満市の白梅の塔を清掃した。清掃後、焼香し手を合わせて犠牲者を追悼した。沖縄戦に看護要員として動員された元白梅学徒の中山きくさん(90)も駆けつけ、子どもたちに感謝の気持ちを伝えた。

 中山さんは73年前の6月4日、日本軍の野戦病院が解散となった後、砲弾の中を逃げ惑い、多くの友人を亡くしたことを説明し、「私のような戦争の道を二度と歩むことがないように」と語りかけた。

 清掃活動は、同団のリーダーを務める山元奏子さん(33)の祖母が第二高女の卒業生だったことから取り組みが始まり、今年で20年以上になる。

 参加した沖縄尚学高校3年の真栄田悠さん(17)は「慰霊碑の名前を磨きながら(戦争がなければ)まだ生きていられたのに、同じ世代でこんな目にあったことを考えるとつらい。掃除をする度に思いが強くなる」と話した。

 白梅の塔では、4日に始まる「マブニ・ピースプロジェクト沖縄2018」で、那覇高校や沖縄尚学高校の生徒たちが事前に中山さんの話を聞くなどして鎮魂と平和をテーマに描いた絵画96点も展示される。

 3日は那覇高校の美術部員たちが準備にあたり、3年生の比嘉鈴音南さん(18)は「平和に対してのそれぞれの思いが込められている。自分自身も戦争に対して真剣に考えるきっかけになった」と話した。