米軍、旧駐機場夏まで使用 嘉手納基地 洗機場改修理由に


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 米軍嘉手納基地で周辺住民の騒音軽減のために移転された旧海軍駐機場について、米軍は4日までに「夏ごろまで旧駐機場を暫定的に使用する」と沖縄防衛局に伝えた。日本政府が多額の予算を負担して移転したにもかかわらず旧駐機場は度々使用されている。負担軽減の実効性が疑われそうだ。

旧海軍駐機場前に駐機する哨戒機P3C(左)と空中給油機KC135=4日、米軍嘉手納基地

 防衛局によると、基地内の改修工事で大型航空機用の洗機場が使えなくなっていることが理由。4日、旧海軍駐機場では哨戒機P3Cと空中給油機KC135が駐機した。目撃者によると、機体を洗浄する様子が見られた。

 沖縄防衛局は本紙の取材に対し、過去に機体を洗った洗浄水が周辺の民間地域へ飛散したことに触れ「航空機の洗機には強い懸念を持っている」とした上で「洗浄剤ではなく、水を使用し、風向きなど気象条件に配慮するよう申し入れている」と述べた。

 また「米側から、今回の使用ではけん引により航空機を移動させ、洗機中にもエンジンを停止させる旨の説明を受けている。防衛局は旧海軍駐機場でエンジンの稼働を行わないよう、強く申し入れている」としている。

 當山宏嘉手納町長は「整備場・倉庫として使うと聞いている。日米合意の趣旨に反する使用は認めるわけにはいかない。なし崩し的に使用されると困る。町として防衛局に本来の使い方をするよう申し入れたい」と話した。