電子図書館、久米島に導入 内閣府実証事業 秋にも、沖縄県内初 “蔵書”3年で4400冊に


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電子図書館の利用イメージ

 【東京】福井照沖縄担当相は5日の記者会見で、沖縄関係予算の離島活性化推進事業を活用し、久米島町と共同で住民が使える電子図書館を県内で初めて導入する実証事業を秋ごろ開始すると発表した。図書館建設に比べて低コストで本年度予算は629万3千円。事業は3年で初年度は約4200冊が閲覧可能となる。スマートフォンなどインターネットに接続できる端末があれば、利用者はどこでも図書の検索や貸し出し、返却ができる。

 久米島は図書館整備を進めているため、実証事業地に選ばれた。町民は個人所有の端末で使用できるほか、公共施設などに設置される電子図書館閲覧用のタブレット端末5台でも利用することができる。閲覧可能な電子書籍は2年目以降、100冊程度ずつ増える。事業では本の選択のあり方や利用促進、必要なノウハウを確認し、他の離島でも実施可能か検討する。

 内閣府によると、県内の離島自治体では、学校以外での住民向け図書館サービスが提供されているのは石垣市、宮古島市、多良間村だけ。図書館の設置で幼児期からの読書習慣を育み、住民が抱える課題解決や特産品開発に向けた知識と情報が得られるとしている。

 電子図書館は5月現在、国内の78自治体が既に導入している。いつでもどこでも利用可能で本の劣化がないなどのメリットがある。一方、ネット環境がなければ使えないほか、著作権により最新の書籍や雑誌は閲覧できなかったり、書籍数も少なく内容が偏ったりするデメリットもある。