「後戻りできない」 辺野古土砂投入通知 抗議市民に危機感


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 【宜野湾】沖縄県名護市辺野古の新基地建設で土砂投入が8月に始まると通知されたことについて、宜野湾市の普天間飛行場の周辺住民からは「早く工事を進めてほしい」と危険除去を優先させたいとの思いや「埋め立てには反対だ」と改めて県外移設を求める意見など、それぞれの声が漏れ聞こえた。

 「それでも県内移設には反対していく」という男性(81)は「早く動かしてほしいとの意見も理解はできる。複雑だ」と声を落とす。嘉手納基地のF15戦闘機が墜落した翌日の通知に「日本政府は沖縄をアメリカにくれたんだよ」と声を強め、住民感情すら鑑みない対応を批判した。

 市内に50年以上住む主婦(70)は、自宅上空を昼夜問わずヘリが通過する現状を訴える。「テレビも満足に見られない。そのたびに孫たちが耳を押さえる」と日常に付きまとう騒音に悩まされてきた。「低空飛行で(落下物の)事故も多い。住民にしか分からない苦しみがある」と工事の進行を望んだ。

 生まれも育ちも宜野湾だという専門学校生の男性(21)は「生まれた時から基地がそばにあって慣れている。基地問題には関心がない」と語った。