新市民会館の建設が予定されている那覇市久茂地の久茂地小学校跡地で、戦前の久茂地尋常小学校の遺構が14日までに新たに見つかった。同市文化財課によると、3度目となる今年5~6月の調査で校舎の北、南、東部の3カ所を発掘した。校舎の柱を支える礎石と根固め、深さ10~20センチの排水溝跡が見つかった。
1944年の10・10空襲によるものとみられる焼土の下層からは、校舎の窓枠と思われる木材や「久茂地校」と書かれた陶器、耐火レンガなど久茂地尋常小のものとみられる遺物が複数出土した。
久茂地尋常小の前にあったとされる「久茂地村」の屋敷跡に関する遺構は確認されなかった。今回の調査を最後に発掘調査は終了する。遺構は近く埋め戻される予定。
市文化財課は市民に向けた現地説明会を24日に予定している。担当者は「これまでの調査で尋常小の全体像が見えた。歴史ある遺構を多くの人に見てほしい」と参加を呼び掛けた。