【島人の目】ビジネスと社会貢献


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 ロサンゼルス市のリトル東京サービスセンター(ディーン・マツバヤシ所長)が主催した「コミュニティーへの橋渡し 日系企業と社会貢献」と題したパネルディスカッションを聞きに行ったが、興味深かった。パネリストは日本マイクロソフト社長の平野拓也さんをはじめ4人のビジネスマンが務めた。司会はNHKロサンゼルス支局長の飯田香織さんが担当した。

 ディスカッションの前に、平野社長と飯田さんのトークセッションがあった。平野さんは、多様な人材を生かすことがいかにイノベーションを生み出すか、テクノロジーがいかに多様なコミュニティーを共通の目的の下につなげる橋渡しとして貢献するのか―などについて語った。その上で「会社全体の目標も大事だが、個人個人の成績も重要視している」と強調していた。

 パネリストの重田光康さんはロサンゼルス周辺で新選組レストランチェーンを展開する。現在14のレストランを運営し、従業員への目配り、気配りを重んじ、日系コミュニティーに多大な敬意を持ってビジネスを展開してきたという。起業当時の従業員はすべて日本からの移住者であったが、現在では8割が現地出身者だという。

 佐藤弥生さんはメジャーリーグのドジャースに11年間勤務。ジャパン・ナイトなどを導入し、日系人の観客動員に貢献をした。「まだまだ台湾やフィリピン・ナイトには及ばないが、ジャパンナイトを日系企業とタイアップしてもっと広めたい」と意気込む。込山洋一さんは日本語のタブロイド「ライトハウス」を通じて日系人とアメリカ社会をつなぐ橋渡しの役割を担っており、今後は全米をカバーする企画を考えているという。

 4人のパネリストが共通して強調していたことはこうだった。「企業にとって、いかに社会貢献ができるかが鍵となる」
 (当銘貞夫、ロサンゼルス通信員)