海外移民の研究者で武蔵大学名誉教授の白水繁彦さんがこのほど、著書「海外ウチナーンチュ活動家の誕生 民族文化主義の実践」(御茶の水書房)を出版した。
白水さんは滋賀県生まれで、琉球新報に「持ちつ持たれつ」のタイトルでハワイのウチナーンチュの活動を長年にわたって執筆した経歴がある。
白水さんがハワイのウチナーンチュと知り合ったのは、1978年3月に観光目的でハワイを訪問したときが初めて。それから今年で40年になる。
白水さんのハワイでの研究を支援したのは、県系2世の故アキラ・サキマさんと夫人の故ジェーンさん。85年に、サキマ夫妻と共に行った沖縄フェスティバルで、「誰がどのような意図でこのような巨大イベントを仕掛けたのだろう」と疑問を持ったことが、本格的にハワイのウチナーンチュを研究するきっかけとなった。
ハワイのリーダーとして、著書にはサキマさんのほか、エド・クバさん、ヘンリー・イサラさん、ジョイス・チネンさんら8人が明記されている。
1990年代になり、白水さんは米本土、特にロサンゼルスの北米沖縄県人会、さらにブラジル・サンパウロやアルゼンチン・ブエノスアイレスのウチナーンチュの活動も研究するようになったという。
著書には、北米沖縄県人会の概略史と活動が記載され、アイデアと行動のエスニック・リーダーとして元県人会会長の比嘉朝儀さん、エスニック・ジャーナリストとして当銘貞夫さん、科学者エスニック・リーダーとして國吉信義さんが紹介されている。
比嘉さんは白水さんの著書に「今回の出版はこれまでのリサーチの集大成であり、特にウチナーンチュの読者に“心の糧”として親しまれ、愛され、永遠に心の中に生き続けることを願ってやみません」と記している。
(当銘貞夫通信員)
御茶の水書房
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