【糸満】社会医療法人友愛会(比嘉國郎理事長)が運営する沖縄県糸満市真栄里の南部病院(城間寛院長)が施設の老朽化に伴い、豊見城市上田の豊見城中央病院に移転する計画案があることが18日、分かった。豊見城中央病院は豊見城市与根に新病院を建設中で、新病院へ移転後、南部病院が旧施設に入る計画だ。南部病院は「正式決定ではなく選択肢の一つ。部分的に残せるかどうかも検討している。現時点では決定時期も明言できないが、患者が不安にならないよう丁寧な説明を心掛けたい」としている。
同日開かれた糸満市議会一般質問で、上原昭市長が「2020年に豊見城中央病院が上田から与根に移転するのに伴い、南部病院の移転も選択肢の一つと聞いている」と答弁し、明らかになった。西平賀雄市議の質問に答えた。
南部病院は17年の耐震診断で大規模地震で倒壊・崩壊の危険性があると診断されたが、耐震化工事には概算で数億円かかるとし、移転などの検討に入った。
また、夜間救急は外科と内科の医師2人が当直していたが、医師不足から18年4月以降は内科医1人になり、受付時間も縮小している。かかりつけの患者は24時間受け入れるが、手術などが必要な救急患者は豊見城中央病院や近隣の病院に搬送している。豊見城中央病院の与根への移転後は、糸満市からの交通アクセスが良くなり、救急体制の不安が解消されるという。
南部病院は、1982年に県立南部病院として開設された。地域の中核病院としての役割を果たしてきたが、赤字などを理由に県が社会医療法人友愛会に経営を移譲し2006年4月に南部病院として開院した。
県から移譲された許可病床数は250床だったが、稼働病床80床でスタートした。現在は許可病床・稼働病床ともに188床。