ヘリ発着帯 撤去要求 東村議会 「訓練増、住民恐怖」 集落近くの2カ所


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 【東】沖縄県の東村議会(安和敏幸議長)は20日、村内の米軍北部訓練場N4地区にあるヘリコプター発着帯(ヘリパッド)2カ所の即時撤去などを求める意見書と決議を全会一致で可決した。県内外で米軍機の事故が相次いでいる上、集落近くで米軍ヘリの訓練が激化していることによる住民への騒音被害を重くみた。N4のヘリパッドに関して、村議会は2015年にヘリパッドの使用禁止を求める決議を可決したが、撤去要求に踏み込んだのは初めて。オスプレイの配備と飛行中止、日米地位協定の抜本的見直しも要求した。

 N4地区には14年7月までに新たなヘリパッドが高江の住宅地から約400メートル離れた場所に2カ所造られた。15年2月から運用が始まり、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイなど米軍機が離発着している。

 村議会は17年2月以降、高江区の現地調査を実施した。その結果を受けて「(米軍機は)民間地上空を飛行し、ごう音をとどろかせている。村民は日々苦痛を受けている。N4ヘリパッドの運用で飛行訓練は確実に激増している」との文言を決議に盛り込んだ。

 その上で、N4地区について「まさに危険と隣り合わせの状況にあり、オスプレイから派生する騒音と低周波、いつ落ちてくるか分からない機体や器具などで、住民は恐怖におののいて生活し、苦痛負担は増大している」と訴えている。

 米軍機の度重なる事故も列挙した。17年10月に高江の民間地で起きたCH53Eヘリの不時着炎上、MV22オスプレイの名護市安部海岸やオーストラリアでの墜落を挙げたほか、県内外で緊急着陸や部品落下などを繰り返していることも盛り込んだ。

 「まさに空飛ぶ欠陥機であり、米軍の機器整備に対する怠慢と傲慢(ごうまん)をみることができる」と厳しく批判している。

 決議文は日米国大使、在沖米四軍調整官、意見書は首相などに、それぞれ郵送する。

 米軍北部訓練場のヘリパッド建設を容認してきた伊集盛久東村長は本紙の取材に対し「議会の決議に関してコメントする立場にない」と述べた。伊集村長は17年のCH53Eヘリ不時着炎上事故後、N4ヘリパッドの使用中止を求めている。