沖縄県は23日、「慰霊の日」を迎えた。住民を巻き込んだ沖縄戦の組織的な戦闘が終結してから73年。激戦地となった糸満市摩文仁の平和祈念公園では、午前11時50分から県と県議会主催の沖縄全戦没者追悼式が開かれる。20万人以上の戦没者に思いを寄せ、恒久平和を希求する。
追悼式では翁長雄志知事が平和宣言をするほか、浦添市立港川中3年の相良倫子さん(14)が平和の詩「生きる」を朗読する。安倍晋三首相や関係閣僚、衆参両院議長も出席する。
犠牲者の名前を刻んだ「平和の礎」は新たに58人が追加され、総数は24万1525人となっている。22日も亡き家族をしのんで足を運ぶ人たちの姿があった。娘(57)と共に訪れた南城市の森山千代子さん(84)は、11歳のときに沖縄戦を経験し、兄の元長さん=当時(24)=と元孝さん=当時(18)=を失った。
礎の前で膝をつき、線香と花を供え「兄さん、千代子が来たよ。今年も子どもや孫が健康に過ごせるよう見守って」と語り掛けた。「23日を迎えるたび戦争の悲惨さを感じる。絶対に繰り返してはいけない」と力を込めた。