「今を、生きていく」 相良さん、平和の詩朗読


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「平和の詩」を朗読する港川中学校3年の相良倫子さん=23日、糸満市の平和祈念公園

 「鎮魂歌よ届け。悲しみの過去に。命よ響け。生きゆく未来に。私は今を、生きていく」。浦添市立港川中学校3年の相良倫子さん(14)は、7分半におよぶ自作の平和の詩「生きる」を力強く朗読し、不戦を誓い、未来の平和を築く決意を込めた。会場からは温かい拍手が送られたほか、うなずく人や思わず「かっこいいね」とつぶやく人もいた。

 94歳になるという曽祖母の沖縄戦体験を聞いて、詩を書いた。穏やかな風が吹き、新緑の季節を迎える現代の摩文仁の丘をみずみずしく描いた一方、戦争で地獄と化した73年前の様子も生々しく描写して対比させた。朗読後、「曽祖母にも伝わるように、一生懸命読むことができた」と話した。

 朗読では「未来は、今なんだ」という部分をひときわ力強く読んだ相良さん。周囲の友人らと戦争などの話をすることは少ないというが、「これからは友達と話をして考えていきたい」と力を込める。

 相良さんは「私にとって平和とは当たり前に生きることや自分の命を大切にすること。私の平和のメッセージを伝えたかった」と晴れやかな表情を見せた。