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【ブラジル】日系人派遣に県系2人 ブラジル移民110周年事業

「ブラジルと日本の懸け橋育成交流プロジェクト」に参加し日本を訪問する県系3世のアンドレイア・花城・シルバさん=14日、東京都千代田区の皇居二重橋

 ブラジル日本移民110周年記念事業として、サンパウロ新聞社が海外日系人協会(田中克之理事長)と共催で、次世代のブラジル日系社会を担う若い日系人15人を米ハワイ州や日本などに4~17日まで派遣した。一行は、6日にハワイで開催された第59回海外日系人大会(海外日系人協会主催)に参加して他国の日系人と交流を深めたほか、日本では講演会を聴講したり企業やJICA資料館、群馬県大泉町のリトルブラジルなどを視察したりした。

 派遣事業は「ブラジルと日本の懸け橋育成交流プロジェクト」と名付けられ、今年がブラジル移民110周年を迎えることに加え、明治元年に初めてハワイへ日本人移住者が送り出されてから150年目になることを記念して企画された。ブラジル国内の主要な日系団体などから推薦された若者が選出された。県系人からはブラジルゲートボール連合(本多八郎会長)から推薦されたアンドレイア・花城・シルバさん(42)と、ブラジル都道府県人会連合会(山田康夫会長)から推薦された本紙海外通信員の城間セルソ明秀さん(35)の2人が選ばれた。

 アンドレイアさんは今帰仁村3世だ。祖父の花城清仁さんは夫婦で1939年に「あるぜんちな丸」でブラジルへ渡り、サンパウロ州の奥地に定住した。

 アンドレイアさんは清仁さんの長男ペルシオ・清隆さんの長女。94年にサンパウロにあるマッケンジープレズビテリアン大学に進学するために、セッテ・バーハス市から引っ越した。大学ではデータ処理を学び、97年に卒業。99年からブラジルゲートボール連合の事務処理をIT化するためにアルバイト職員として働いている。

 事業に参加したアンドレイアさんは、日本滞在を振り返り「日本人は常に礼節を守り、ブラジルは人が温かいというが、日本は礼節が欠けていた。一方で、電車や店ではあまり他人に話しかけようとしない個人主義的なものを感じた」とした。

 また、日本での視察や講演では通訳がいたために問題なかったが、日本語能力に欠けていたことから直接的な交流ができず、日本語を勉強しなくてはならないと痛感したという。

 アンドレイアさんは「これからは日本語を学びたい。ゲートボール連合に青年部を設けることを提案して、日系社会にもっと参加しながら交流の輪を広げ、日系社会に貢献したい」と今後の展望を語った。
(城間セルソ明秀通信員)