11月18日投開票の沖縄県知事選に向け、県政野党などの候補として最有力視されている佐喜真淳宜野湾市長の就任6周年激励会が26日、同市のラグナガーデンホテルであり、自民県連幹部や仲井真弘多前知事らが出馬に向けて秋波を送る一幕があった。これに対し、市政継続を求める後援会幹部や他の候補者を推す地元有力者らがけん制する場面も。当事者の佐喜真氏は「悩みながら政治家は決断する。それ以上は申し上げない」と踏み込まなかった。佐喜真氏の出馬を巡り、さまざまな思惑が表出した。
候補者選考委員会委員を務める仲井真前知事はあいさつで「佐喜真さんを宜野湾市で囲わないで県全体の発展のために応援してほしい」と要望。自民県連会長代行で選考委員を務める翁長政俊県議は「普天間飛行場移設問題を解決していくには、どのポジションにいた方がいいか本人も考えていると思う。私どもも期待している」と話した。
一方、2年前の市長選で佐喜真陣営の選対本部長を務めた安次富修元衆院議員は「宜野湾が一番。知事は二番だ」と語り、市長継続を暗に求めた。後援会の長堂昌太郎会長は「残り2年間、市長として力いっぱい活躍すると信じている」と、市政に専念するよう訴えた。
激励会終了後、記者団の取材に応じた佐喜真氏は知事選への出馬について「市長として仕事を全うするのが一番の責務だ。環境はまだない」と難色を示しつつも、出馬の可能性を否定しなかった。選考委は現在、佐喜真氏を軸に人選を進めており、県連幹部によると候補者決定は「佐喜真氏の決断次第」という。