「ウルトラQ」や「ウルトラマン」シリーズの脚本を手掛けた沖縄県出身の金城哲夫が7月6日で生誕80周年を迎える。1日に哲夫の実家である南風原町津嘉山の料亭・松風苑で、スーツアクターとして初代ウルトラマンを演じた古谷敏らがランチトークショーを開催し、撮影中の秘話や哲夫との思い出などを語る。トークショーを前にインタビューに応じた古谷は「県民の中にまだウルトラマンは金城哲夫が作ったということを知らない人がいる。子どもたちに夢を与えた金城さんのことを伝えたい」と語った。
古谷が金城と出会ったのは1966年のウルトラQから。次作ウルトラマンで古谷が主役を務めるようになると、自然と2人で話す仲になった。「普通は脚本家は役者と話さない。金城さんは違って、出演者に話し掛けてくれた。私も仲良くなって、いつの間にか“敏ちゃん”と呼ばれる仲になった」
古谷は金城と約束を交わしたという。「金城さんは、いつか沖縄の子どもたちにウルトラマンショーを見せたいという夢を抱いていた。その時に敏ちゃんに(ウルトラマンの)中に入ってほしいと言われた。私は『メロドラマを作って、私を主役にしてください』とお願いしたら約束してくれた」
金城の作品について古谷は「子どもたちに夢や希望を持ってほしいという願いが込められている」と語る。「当時は沖縄戦の話など一切しなかった。きっと大変な少年時代を過ごしたはず。だからこそ、夢と希望に満ちた作品を製作したのではないか」
「ウルトラマンは孤独の生き物。だけど3分内で必ず弱い者を救ってあげる。多くの人が『勇気をもらった』と言ってくれる」と話し、1日のトークショーへのファンの来場を期待した。
トークショーでは、金城の弟の金城知夫さん、グレース美香、田村奈巳が出演する。開演は午後1時。税込み8千円(弁当・ドリンク付き)。問い合わせはシンビンプロモーション(電話)055(215)2450。