久米島のモズク 台風被害8000万 出荷できず、養殖後最大


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 久米島漁業協同組合(渡名喜盛二組合長)の養殖モズク約300トンが6月の台風5号、6号で、被害を受けて出荷できなくなっていたことが4日までに分かった。今年は例年の2倍近くの豊作になり、収穫が遅れていた。同漁協によると被害額は販売額換算で約8千万円に上る。県漁業協同組合連合会によると、他地域は収穫を終えて被害報告はないという。

 久米島漁協で1989年にモズク養殖を始めて以来、最大の被害だという。今月の台風7号でも養殖網が切れていれば、被害が広がる可能性もある。県は台風ごとに農林水産業の被害額を集計しているが、報告されていなかった。

 約2万枚ある養殖網のうち約2千枚が被害を受けた。通常の出荷は5月から6月上旬だが、豊作で加工場や運搬するフェリーの許容量を超えてしまい、収穫や出荷の時期を調整していた。久米島漁協の宮里真次参事は「天候に恵まれ、水揚げは例年の2倍以上あった。島に応援に来ていた本土の加工業者もがっかりしている」と語った。