サッカーの明治安田J3第17節、FC琉球は7日、沖縄市の県総合運動公園陸上競技場で藤枝MYFCと対戦し、3―0で快勝した。大雨の影響でリーグ首位の鹿児島ユナイテッドFCの試合が行われなかったため、琉球は暫定1位に浮上した。今季初の3連勝を達成、通算9勝4分3敗で、勝ち点は31とした。
保持率の高いポゼッションサッカーで攻め入り、前半14分に中川風希が先制ゴール、30分に富樫佑太が追加点を挙げて2―0で後半へ入った。リードしたまま迎えた後半41分、和田凌のダメ押しのシュートが決まり、3―0で快勝した。
試合は「全島サッカー1万人祭り」の一環として行われ、7289人の観客が詰め掛けた。
後半戦となる琉球の次戦は16日、秋田県のあきぎんスタジアムでブラウブリッツ秋田とアウェー戦を行う。
(1)沖縄県陸
琉球 9勝4分け3敗(31)
3―0(2―0,1―0)
藤枝 6勝2分け8敗(20)
▽得点者 【琉】 中川(6)富樫(9)和田(4)
▽観客 7289人
【評】琉球は藤枝より10本多い16本のシュートを放つなど、チャンスを多くつくり、高い攻撃力を見せた。一方で、相手に一度ボールを持たれると守備のラインを下げすぎ、攻撃を止められない時間もあった。3連勝となったものの、守備面への課題が見えた試合だった。
◆3―0は出来過ぎ
金鍾成監督(FC琉球)の話 相手の強いプレスをいなせるだけの力がなく、ばたばたした感じはあった。試合内容で見ると3―0は出来過ぎだが、最後までボールを動かそうという意識が3点目につながったのは良かった。これからもチームの形を求め続けていきたい。
◆ミスから崩れた
大石篤人監督(藤枝MYFC)の話 ゲームの入りが大事だと選手らに言っていたが、ミスから崩れて、藤枝らしいプレーができなくなってしまった。今回の負けは非常に悔しい。
◆確実にゴール射抜く 今季最多の7289人を魅了
今季最多の7289人が駆け付けたリーグ前半戦を締めるホーム戦。多くのサポーターの前で、琉球は決定力がある選手が確実にゴールを射抜いた。守備では、ひやひやする場面はあったものの、藤枝をシャットアウト。力を見せつけた3―0の快勝で、暫定首位に躍り出た。
全員がハードワークで前線へのプレスを掛け続けた藤枝に対し、ボール保持率の高いポゼッションサッカーを展開した。得点を挙げたのはチームで得点上位の中川風希、富樫佑太、和田凌の3人。先制した中川は「多くの観客の前で良いところを見せられて良かった」と破顔した。
その中川のシュートは前半14分、和田が相手のプレッシャーを受けながら出したヒールパスに合わせた。2点目は右サイドから中川のグラウンダーの素早いパスを、富樫がスライディングで押し込んだ。3点目は終了4分前、カウンターから和田が駆け上がり、右足で放ったシュートがGKの横を抜けてゴールに吸い込まれた。
試合終了後、暫定1位浮上に、会場は多くのファンの拍手と歓声に包まれた。歓喜の中、金鍾成監督は順位に一喜一憂する様子はなく、「全部勝つのはあり得ないが、勝ちを意識し続けたい」とリーグ後半へ向け気を引き締めた。
(喜屋武研伍)