城間(中部農林)沖縄県勢初、相撲個人2冠 全九州高校体育大会


この記事を書いた人 大森 茂夫
個人戦無差別級決勝 土俵際まで相手を寄り切る中部農林の城間瑠正=8日、うるま市具志川ドーム相撲場

 2018年度九州高校総合体育大会は8日、沖縄県内外で行われた。相撲はうるま市具志川ドームで開かれ、城間瑠正(中部農林)が無差別級と100キロ以上級で頂点に立った。この大会での個人の2階級制覇は県勢初。中部農林は団体では3位に入った。団体は文徳(熊本)が優勝した。

◆「強者の自覚で制覇」/城間(無差別級)

城間 瑠正

 昨年の九州大会で、個人100キロ以上級は制したものの、無差別級は2回戦負けを喫していた中部農林の城間瑠正。小柄な選手に懐に入られることが多く、同階級は苦手意識があったが、この日はもぐられて前みつを取られても慌てなかった。しっかり相手の動きを見て得意の左上手を引き勝ち続けた。2連覇となった主戦場の100キロ以上級と合わせ、県勢初の2冠を達成。地元開催で熱烈な応援の中、チームのエースとして期待に応えた。

 最初の種目だった無差別級は「相手の動きを意識し過ぎて硬くなった」という昨年の反省から、無心でぶつかることだけをイメージした。決勝は昨年の全国中学大会チャンピオンの熊本の1年生が相手だった。相手に中に入り込まれ不利な体勢となったが、がっちりと脇を締めて相手の頭を固めて動きを封じた。右四つの形に入ると、そのまま一気に寄り切った。

 「何も考えなかった。自然と体が動いていた」。優勝を決めて「よっしゃあ」と勝利の雄たけびを上げる城間を、コーチやチームメートも両手でガッツポーズして祝福。小濱寿監督は「去年と違う。『自分は強いんだ』と自覚を持って、勝ちにいっている」と教え子の成長を喜んだ。

 城間自身も「気持ちの面で焦らなくなった」と2冠獲得に成長を実感する。全国大会へ向け「このまま調子を上げ、ベスト8以上を目指したい」とさらなる飛躍を約束した。 (喜屋武研伍)