災害時の事業計画3.8% 帝国データ調査 全国15%と開き


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 帝国データバンク沖縄支店は9日、自然災害など緊急事態発生時の対応策をまとめた事業継続計画(BCP)に関して、沖縄県内企業の意識調査結果をまとめた。県内でBCPを「策定している」と回答した企業は3・8%で、全国の14・7%を大きく下回った。大手メーカーが取引企業のBCP策定を推進している県外に対して、沖縄では策定のための環境が十分に整っていないことが背景にあると見られる。

 BCPを「現在、策定中」は7・7%(全国7・4%)で「策定を検討している」は34・6%(同22・8%)と全国より高い比率となった。「策定していない」としている企業は44・2%で全国の45・6%を下回った。同支店は「県外企業は大手メーカーとサプライチェーンなど取引を進める中で、部品や製品の供給を滞らせないためにBCPが必要となっている。沖縄はサービス業が多く、BCP策定の旗振り役も少ない状況のため割合は低くなっている」と分析する。

 BCPを策定していない理由(複数回答)で最も多かったのは「策定に必要なスキル・ノウハウがない」の60・9%で、次いで「策定する人材を確保できない」が39・1%、「必要性を感じない」が30・4%などとなった。

 BCPを「策定している」「現在、策定中」「策定を検討している」と回答した企業に対して、事業継続が困難になると想定しているリスク(複数回答)を訪ねたところ、地震や風水害などの「自然災害」が最も多い58・3%となった。不正アクセスなど情報セキュリティー上の問題や火災・爆発事故、取引先の倒産をリスクとして想定している企業もあった。

 同支店は「BCP策定によるプラスの影響を実感している企業は増えているが、策定に必要なノウハウやスキルの不足、人材確保が困難なことが策定のハードルになっている」と指摘した。調査は県内の155社を対象に実施し、有効回答企業数は52社だった。