非常に強い台風8号は10日、沖縄本島地方の一部を暴風域に巻き込みながら西北西に進み、夕方から夜にかけて先島地方を直撃した。
宮古空港で同日午後7時に最大瞬間風速45・3メートルを観測。風にあおられて転倒するなど、県内で少なくとも5人がけがをした。先島地方では、11日未明から明け方まで暴風に警戒が必要だ。
10日は宮古島地方、石垣島地方、与那国島地方、慶良間・粟国地方、久米島に暴風警報が発表された。石垣市、宮古島市、多良間村で計2万6285世帯(5万7613人)を対象に避難勧告が出された。琉球新報の取材では、10日午後9時現在、2市2町村に22カ所の避難所が設置され、117世帯の184人が避難している。
宮古島市下地では、7月の観測史上最大となる最大瞬間風速44・8メートルを観測。竹富町西表島でも同40・3メートルの風が吹いた。石垣市盛山では10日午後10時までの12時間で、173・0ミリの雨が降った。
強風によるけがも相次いだ。宮古島市の40代男性が外の階段から転落し、腰を打つなどした。糸満市など本島地方でも4人が軽傷を負った。宮古島市平良下里では、県営団地の外壁が横約5メートル、縦約6メートルにわたって崩れ落ちた。
宮古島地方、石垣島地方の学校は臨時休校となり、航空機や船舶の欠航も相次いだ。沖縄電力によると、10日午後10時現在、宮古島市で市全体の約半数の1万1500世帯、石垣市の1690世帯など計1万3700世帯が停電している。
沿岸の海域は11日もうねりを伴った高波となる。八重山地方で10メートル、宮古島地方は9メートルの予想で、注意が必要だ。【琉球新報電子版】