植物工場設備の開発や販売を手掛けるインターナショナリー・ローカル(沖縄県糸満市、佐々木康人社長)は、野菜を栽培・収穫するためのコンテナ型植物工場を沖縄県粟国村に設置した。コンテナ内の限られたスペースでも多彩な野菜を収穫できる設備が備わっており、5月末から葉野菜の収穫を始めている。佐々木社長は「離島地域の人たちにも取れ立てで新鮮な野菜を食べてもらいたい」と話している。
コンテナ型植物工場を設置したのは粟国村内の製糖工場跡地で、大きさは約12メートル。野菜を栽培するための棚は多段式となっており、それぞれで異なった品種を育てられる。現在はレタスやチンゲンサイ、小松菜を栽培・収穫している。コンテナ内の光や空気、培地などは野菜の育成に最適な環境になるよう調整されている。常に安定した環境で栽培できることから、季節に関係なく新鮮な野菜を収穫できる。
粟国村は生活物資を船舶による輸送に頼っており、これまで野菜の鮮度管理が難しい状況にあった。台風の発生などによって野菜が届かないこともあり、同社は粟国村での事業展開を進めた。佐々木社長は「村の生活基盤を安定化することができるし、工場を設置することで雇用も生まれる」と意義を説明した。
コンテナ内では植物の栽培や収穫だけではなく、販売のための袋詰めなどもできるという。今後は工場で収穫した野菜を村内の民宿や小売店などで販売していく。佐々木社長は「離島でも新鮮な野菜を食べたいという要望は多かった。体にいい野菜を提供することで村民の健康づくりにも貢献できる」と強調した。