障がい者の活動拠点となる「障害者社会参加支援施設」について、県がこのほど県内の当事者団体を対象にアンケート調査を実施し、回答した団体の約8割が障害者優先施設の整備を求めていることが13日、分かった。同施設を都道府県が運営していないのは沖縄を含めて7道県で、さらに都道府県に加え、中核市や政令指定都市にも施設がないのは沖縄、山形、茨城の3県にとどまる。県は調査を踏まえ、障がい者によるスポーツや文化交流の環境整備に向けて、今後、新たな施設の建設を含めて検討を進める。
調査は昨年11月29日から12月8日にかけて、県内の障がい者関係団体、障がい者スポーツ関係団体など67団体に郵送で配布、38団体が回答した。
調査によると、38団体のうち78・9%が障害者優先施設の設置を求めたほか、15・8%が予約優先施設、5・3%が障害者専用施設を求めた。新たな施設に必要な機能として、複数回答で82%が「体育館」「研修施設」、76%が「会議室」、61%が「宿泊施設」の整備を求めている。
県内には浦添市が所有し、同市社会福祉協議会が運営する障害者優先施設「サン・アビリティーズうらそえ」があるが、予約が殺到し、各団体が十分に利用できていない現状がある。施設の運営者は「分刻みで予約が入っている」と指摘している。
調査を踏まえて県は、障がい者団体の活動環境整備の手法として(1)新規施設整備(2)既存施設の活用(改修等)(3)既存施設の利用(運用の改善等)―を提示。新規の施設建設の整備の場合、団体の意向に沿った施設にすると建設費が14億円以上と高額になるほか、既存施設の活用や利用でも利用者の意向の反映が難しいことなど、いずれも課題がある。県は障がい者団体と協議を進め、在り方を検討していく考えだ。(吉田早希、池田哲平)