沖縄県内貸家世帯、40年ピーク NIAC調査 高騰で持ち家困難に


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 南西地域産業活性化センター(NIAC、石嶺伝一郎会長)は17日までに、沖縄県内の貸家建設の動向と将来の貸家需要の見通しをまとめた。貸家に住む世帯数は増加を続けて、2040年にピークに達すると予想している。建築単価の高騰などで持ち家の取得が困難になり、貸家の需要が増加傾向にあるほか、高齢化や晩婚化によって単独世帯が多くなることが背景にあると見られる。

 県内で貸家に住む世帯の数は、2000年の15万世帯から15年には23万4千世帯まで伸びている。今後は20年に26万3千世帯、30年に29万5千世帯と増加を続け、40年に30万4千世帯とピークに達する見通しとなっている。NIACは「40年にピークとなった後はしばらく横ばいで推移し、その後は徐々に減少していくはずだ」と分析している。

 貸家に住む世帯の家族類型を15年と40年で比較すると、「単独」は10万4千世帯から41・3%増の14万7千世帯まで増加すると予想している。単身世帯が増加傾向にあることから、ワンルームや1Kなどが多い30平方メートル以下の貸家の着工も増えている。

 このほか「夫婦のみ」は2万4千世帯から50%増の3万6千世帯に、「女親と子ども」は2万6千世帯から27%増の3万3千世帯になると予想している。

 貸家の着工戸数が高水準だった17年の8割程度で推移した場合の空き家率を試算すると、20年に17・7%、30年に23%、40年に31・6%となると見られる。空き家率は貸家の総数から貸家に住む世帯数を差し引くなどして算出しており、NIACは「空き家は賃貸用だけではなく投資用や民泊用などに利用されているものもある」と指摘している。