継続的な被災地支援を FMぎのわん 特番で呼び掛け 岩手・大槌の現状報告


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大槌町の現状を伝える(右から)稲垣暁さん、奥間千夏さん、仲本雄哉さん=14日、宜野湾市のFMぎのわん

 【宜野湾】沖縄県宜野湾市のコミュニティーラジオ局、FMぎのわん(山内一郎社長)は14日、2011年の東日本大震災で被災した岩手県大槌町の現状を伝える2時間の特別番組を放送した。被災地に対して、いかにして継続的に寄り添っていくかを考えようと、大槌町を訪れた職員らが現地の生の声を届ける初の試み。番組では被災地で進む過疎化の状況などを報告した。

 毎週木曜に放送している防災知識を伝える番組「ライフサポートラジオ」の特番として放送した。7月7~9日に大槌町を訪れた同番組担当の仲本雄哉さん(24)、防災士で災害ソーシャルワーカーの稲垣暁さん(58)、高校生の頃に稲垣さんの講義を受けたことがある慶応大2年の奥間千夏さん(19)=那覇市出身=の3人が出演した。

 震災後、毎年大槌町を訪れている稲垣さんによると、現地では仮設住宅の住民が当初の1割ほどに減ったほか、鉄道路線が復旧するなど生活インフラも少しずつ回復していると報告。一方で、資金面や高齢化などから元々住んでいた場所に戻れず、県外に転出したり福祉施設に入居したりした人も多く、元の市街地は過疎化が進んでいるという。

 稲垣さんは「今後、街がコミュニティーとして成り立つかが課題になる。一過性ではなく、継続的に現地の人とつながっていくことが大きな力になると思う」と展望した。

 昨年11月に続いて2回目の訪問となった奥間さんは「去年仲良くなったおばちゃんにまた会いに行くという感覚で行っている。また訪ねたい」と語った。

 仲本さんは「見てきた現地の生活をすぐに電波に乗せて紹介することで、リスナーに何かを感じてもらえればと思う。また特別番組を放送したい」と意欲を見せた。