【宜野湾】米軍普天間飛行場に隣接し、昨年12月に米軍ヘリの窓が落下した宜野湾市立普天間第二小学校で、沖縄防衛局は23日、落下物から児童を守るための屋根付きの避難所の設置工事を始めた。避難所設置は市教育委員会の計画に基づくもので、8月末までに運動場の2カ所に造る。ただ米軍機は事故後も学校の上空付近を日常的に飛行しており、保護者からは「米軍機が飛行する限り、根本的な問題解決にはならない」との声も上がっている。
避難所は幼稚園側にある飼育小屋の横とプール側の2カ所に設置する。それぞれ高さは2・3メートルで、広さは約20平方メートル。鉄筋コンクリート造りで、それぞれ1クラスの人数約35人の児童が避難できる広さとなっている。
避難所の設置については、同校PTAから今年2月、市教委に対し校内6カ所に設置するよう要望書が提出されていた。市教委は現状で計4カ所に整備する計画で、今後プールなどにも設置する予定だ。
第二小では事故発生以降、運動場に米軍機が近づく度に児童が校舎内などへ避難しており、運動場の使用を再開した今年2月から今月20日までに、避難回数は671回に上った。市教委担当者は避難所の設置について「事故が起きる前の学校生活に戻れるよう、学校を後押ししていきたい」と説明した。
一方、1年生の娘が第二小に通う宮城智子さん(49)=市野嵩=は「工作物では根本的な問題解決にはならない」と訴える。「米軍機が飛んでる限り危険はある。本来やるべきことは米軍機を飛ばさないことではないか」と強調した。
防衛局は夏休み中も学校敷地内に職員を2人配置し、米軍機の飛行監視や避難の誘導を続けている。同校は1学期中に教員ら向けに避難態勢に関するアンケートを実施しており、避難所の整備状況などを踏まえ、避難態勢の変更や解除も検討している。