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【アメリカ】比嘉さん功績に感謝 作家・下嶋哲朗さん講演 “沖縄へ豚”の背景語る

ドキュメンタリー作家の下嶋哲朗さん(右から2人目)と、ウチナー民間大使の上原民子さん(同4人目)、沖縄ハワイ協会の高山朝光会長(左端)ら講演会に携わった関係者=1日、米ロサンゼルス近郊のガーデナ市のケンナカオカ・センター

 沖縄戦終結直後、食糧難にあえいでいた沖縄を救おうとハワイの県系人が豚を贈ったことを描いた「海から豚がやってきた」の著者でドキュメンタリー作家の下嶋哲朗さんが1日、ロサンゼルス近郊のガーデナ市のケンナカオカ・センターで講演し、同書の主人公で県系2世の比嘉太郎さんについて語った。会場を埋め尽くした約300人の観客は、下嶋さんから語られるヒューマニズム(人道主義)に生きた比嘉さんの人生に聞き入った。下嶋さんは「人のために何かをなすという理屈ではなく、自身の腹の底から湧いてくるヒューマニズムを感じた」と強調した。

 比嘉さんは、ハワイ生まれの県系2世で、沖縄戦に米軍の通訳兵として行き、ガマで投降を呼び掛けるなど住民の命を救った。沖縄に豚を贈る運動の中心的な役割を担い活動を盛り上げ、1984年に亡くなっている。

 下嶋さんは、比嘉さんが小学校3年までしか、学校に通えなかったが、生涯にわたり人のために行動し偉大な功績を残したとした。ただ残念なこととして、比嘉さんがヘビー・スモーカーであったことを挙げ、「それが原因で早世した」と話した。


スクリーンに映し出される若き日の比嘉太郎夫妻

 長野県出身の下嶋さんは、比嘉さんの著書「ある二世の轍(わだち)」を読んで関心を持ったのをきっかけに、25年にわたって比嘉さんについての研究をしてきた。しかし、比嘉さんには一度も会ったことがないという。現在、13年前の比嘉さんに関するミュージカル「海から豚がやってきた」の上演を思い出しながら、琉球新報に連載を書いているという。

 講演会には、生前の比嘉さんとの面識がある沖縄ハワイ協会の高山朝光会長も沖縄からゲストとして出席した。高山さんは、ハワイ大学大学院留学中の1963年に、ハワイ沖縄移民のリーダーから沖縄移民の体験談を聞き取り調査する中で、比嘉さんの功績について知るようになり、魅了されるようになったという。高山さんは沖縄戦での投降の呼び掛け、終戦後の沖縄支援などを挙げて「功績に感謝している」と語った。

 講演会は、ロサンゼルスのウチナー民間大使の上原民子さんが中心となって企画された。講演後、実行委員長の上原さん、比嘉さんの息子、ノーラン比嘉さん、高山さんの3人に花束が贈呈された。

 また、大ヒットした映画「ベストキッド2」のヒロイン役で出演した日系米女優の第一人者タムリン・トミタさんが司会を務め、会場を盛り上げた。アルゼンチン沖縄系3世シンガー・ソングライターのグスタボ・ホカマさん(37)が「時空の花」をピアノで演奏し歌い、会場から喝采を浴びていた。
(当銘貞夫通信員)



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