沖縄戦サイト公開停止 コスト原因、県「再開進める」


社会
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 沖縄戦体験者の証言映像などをまとめインターネット上に公開していた沖縄県の「沖縄平和学習デジタルアーカイブ」が4月から公開停止していたことが2日、県平和援護・男女参画課への取材で分かった。運用コストが主な原因。県の担当者は「アーカイブは非常に重要なものと認識している。早期に再配信できるよう進めていきたい」としている。

 大手検索サイト・グーグル提供の衛星写真閲覧サービス「グーグルアース」を活用。県平和祈念資料館が収集してきた証言映像約100本や当時の写真を地図上に重ねた。英語や中国語、スペイン語など6カ国語に対応し、2012年6月から公開していた。

 コンテンツの構築や拡充などに充てられた予算は2011年度と12年度で計約7400万円。さらに年150万円ほどの維持管理費がかかるが、アクセス数は年々減少した。証言映像は県のホームページで見られるようにした上で公開を止めていた。ネット上では、アーカイブは多面的に沖縄戦を学べるとして、再開を望む声が広がっていた。

 監修した東京大学大学院の渡邉英徳教授(情報デザイン)は「再開の方向性は評価したいが、利活用しないと意味がない。今後は市民に使ってもらえるよう工夫していくべきだ」と述べた。