第1回沖縄空手国際大会(主催・同実行委員会、県、沖縄伝統空手道振興会)の「沖縄空手セミナー」が6日、那覇市の県立武道館と豊見城市の沖縄空手会館で開かれた。世界各国から訪れた空手家らが本場沖縄の師範から空手の技と心を学んだ。7日までの2日間で延べ約2300人の参加を予定している。
両会場では首里・泊手系や那覇手系、上地流系、古武道の棒術やサイ術など、範士・師範らが突きや蹴りといった基本動作、鍛錬法、型を実演を交えて指導した。アジアや欧米など世界各国からのセミナー参加者らは、カメラやスマートフォンで動画を記録するなどして、真剣な表情で講師の動きに見入っていた。
セミナー講師を務めた剛柔流師範の東恩納盛男さんは、世界各国からの参加者らに向け、体の使い方を実演しながら「キャッチ」「ストロング」など英語を交えて伝えた。
米ミシガン州から初めて来沖し空手歴45年のダン・ホワイトさん(76)は、東恩納さんのセミナーに参加し「呼吸法や立ち方など新しい技術を学べてとても良かった。また沖縄に来る」と感激していた。
小林流範士9段の真栄城守信さんのセミナーに参加した、米バージニア州のエリザベス・ペインさん(26)は「細かく型を指導してもらえた。空手は自分に自信を与えてくれる」と笑顔を見せた
◆精神 母国に伝えたい/ポーランドの女性空手家
ポーランドで空手道場を開くアンナ・クルチンスカさん(37)は、那覇市の県立武道館で開かれた沖縄空手セミナーへ弟子たちと一緒に参加した。「空手の精神がとても好き。空手は私の人生」と話す。空手発祥の地・沖縄で学んだ経験を母国へ持ち帰り、指導に生かしていく考えだ。
クルチンスカさんは約29年前、同じアパートに住んでいた空手指導者の誘いをきっかけに空手を学び始めた。今では、船越義珍氏を開祖とする松濤館流の道場を持ち、指導するまでになった。
6日は県立武道館で剛柔流師範の東恩納盛男さんが講師を務めるセミナーに、弟子のロクサナ・サドスカさん(21)、アグニエシュカ・クルスカさん(41)、ベアタ・クージェンコースカさん(42)と一緒に参加した。重いげたを履いたり、つぼを使ったりする鍛錬なども経験し、4人は「今までやったことがないトレーニングもあり、興味深かった」と刺激になった様子だった。