沖縄県知事選の前倒し決定 与野党が緊急会合


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沖縄県庁(資料写真)

 沖縄県の翁長雄志知事の逝去から一夜明けた9日、県政与党は前日に続き県議会で緊急会派代表者会議を開き、前倒しが決まった知事選への対応などについて協議した。翁長氏の後継について、遺志を受け継ぎ、普天間飛行場の県内移設断念を求めた「建白書」を実現できる人を選ぶことを確認した。野党自民党県連も同日、緊急議員総会を県連事務所で開催し、選挙対策を早めることを確認した。翁長知事の死去を受け、与野党双方が今後、知事選の準備を加速化させる。

 翁長氏の擁立を決めていた与党は、具体的な人選について13日の告別式を終えてから進める。会合終了後、社民・社大・結の照屋大河会派長は政党や労組などで構成する調整会議が中心となって人選を進めるか、翁長雄志後援会や調整会議を抜けた企業などを含めて意見の集約を諮っていく考えを示した。その上で「非常に丁寧な対応が必要になってくる」と述べた。

 一方、自民の議員総会には、県選出国会議員や県議団のほか、擁立を決めた宜野湾市長の佐喜真淳氏(54)も出席した。会合後、自民県連の国場幸之助会長は「全体のスケジュールを前倒しするが、翁長知事の告別式や県民葬も予定されると思うので、そこは県民全体でしのびながら選挙の日程を調整していく」と述べた。

 辺野古埋め立て承認の撤回手続きに入ったさなかに翁長知事が死去したことにより、辺野古新基地建設の是非が改めて知事選最大の争点に浮上することについて、国場会長は「一日でも早い危険性の除去、世界で最も危険な普天間基地の問題を一日も早く現実的に解決していくことが原点だ。そこを県民に丁寧に伝えていきたい」と強調した。