南西地域産業活性化センター(NIAC、石嶺伝一郎会長)は9日、沖縄県内の入域観光客数の変動要因に関する分析結果をまとめた。県の入域観光客数の「実数」から季節的な変動を取り除いた季節調整法を用いて、短期的な不規則変動や中長期の趨勢(すうせい)循環変動を分析。今後の予測値では2018年は国内客が692万人、外国客が344万人で合計1036万人に達し、県の18年度目標1千万人を超える。
外国客は県目標の300万人を上回るが、国内客の伸びは鈍化する見込みで目標の700万人を下回った。
分析は1995年1月~2018年6月の県による入域観光客数の統計を用いて季節調整値を抽出した。
国内客の実数では18年5月から前年同月比の入域観光客数を下回った。今回の分析では傾向的な変動が分かる「趨勢循環変動」で、2カ月前の18年3月から減少傾向を示していた。
季節調整法で取り除いた季節変動の変動係数を見ると90年代後半は繁忙期と閑散期の差が大きく95年は「17・10」だったが、05年には繁閑の差が縮まり「10・09」にまで減少した。だが、その後は横ばい状態が続いており、同センターは「季節変動の平準化に取り組んでいくことが課題」とした。
外国客の趨勢循環変動を見ると、為替相場が円高に振れると、大きかった入域観光客数の伸びが鈍化、「円高が影響しているものとみられる」と分析した。
季節調整法による予測は直近のデータが強く反映されるため、外国客の予測値は高めになっている可能性があるという。