沖縄県人アルゼンチン移住110周年 歴史語り継ぎ次代へ


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沖縄県人アルゼンチン移住110周年記念式典で舞踊を披露する出演者=8日、アルゼンチン・ブエノスアイレス市(沖縄ツーリスト提供)

 沖縄県人アルゼンチン移住110周年記念式典(在アルゼンチン沖縄県人連合会主催)が8日(日本時間9日)、アルゼンチン・ブエノスアイレス市の在アルゼンチン沖縄県人連合会館で開かれた。参加者は、ブラジルに渡った第1回笠戸丸移民の一部が1908年にアルゼンチンに転住してからの歴史を次世代に語り継ぎ、ウチナーンチュ同士の関係を強化していくことを誓った。移民110周年記念式典は、12日にボリビアでも開かれる。

 県などによると、式典で富川盛武副知事が翁長雄志知事の死去を伝え、参加者全員で黙とうした。富川副知事は「県系人がアルゼンチン社会に根を下ろし、政治、経済、教育、文化などさまざまな分野で活躍していることは県民の大きな誇りだ」とする翁長知事のメッセージを伝えた。

 新里米吉県議会議長もあいさつした。在アルゼンチン沖縄県人連合会の「110周年祭典委員会」から玉城智委員長が登壇し、沖縄文化の継承や交流強化へ向けた決意を述べた。県人会活動や沖縄との交流に尽力した功労者が表彰された。

 式典後には祝賀芸能祭も開かれ、県系人らが古典音楽や琉球舞踊を披露した。タンゴの演舞もあった。沖縄留学経験者でつくる「沖留会」の若者たちは、三線を演奏した。

 7日には市町村人会(郷友会)が主催する歓迎会などが開かれた。9日には移民記念碑への参拝や記念植樹も予定されており、富川副知事らが参加する。