米ハワイのハワイ沖縄連合会(HUOA)で初の女性会長を務め、30年以上にわたり沖縄とハワイの懸け橋として尽力し、7月6日に79歳で亡くなった同連合会専務理事の勢理客ジェーンさんの告別式と追悼式がハワイ時間の9日、オアフ島のハワイ沖縄センターで執り行われた。約800人が参列し、勢理客さんをしのんだ。会場は贈られたたくさんの花でいっぱいになった。
同連合会が主催した式では、参列したハワイ州のデービッド・イゲ知事をはじめ、ホノルル市のカーク・コードウェル市長、伊藤康一在ホノルル総領事らが弔辞を読んだ。「ジェーンさんはいつも周りを気にかけ、一人一人を自分の家族のように大切する人だった」「彼女から多くのことを学んだ」と、勢理客さんへの思いをそれぞれ語った。姉のナンシーさんと3人のめいがフラを披露し、安冨祖流絃声朝一会ハワイが勢理客さんが好きな「19の春」「てぃんさぐぬ花」を演奏した。
勢理客さんは中城村にルーツを持つ、マウイ島出身の県系2世。1993~94年に連合会会長を務め、2006年からは専務理事としてハワイを訪問する県や市町村、各種団体の受け入れや調整役を担うなど、ハワイと沖縄を結ぶコーディネーター役として人材育成や交流促進に貢献した。
「連合会の未来は若者にかかっている」と日頃から強調して、28年以上にわたりハワイと沖縄高校生の交換留学プログラムのコーディネーターも務めた。若い県系人に祖国の文化や歴史を学んでほしいと祖国に派遣する事業も展開した。
イリアヒ小学校の校長を務めるなど長年教育者としても活躍し、1998年には、名誉あるナショナルアワード「ミルケン教育賞」を受賞した。
娘のミシェルさんや親戚たちは「彼女のこれまでの功績をとても誇りに思う。沖縄コミュニティーの皆さんが家族のように彼女をサポートしてくれたことに大変感謝している」と話した。
(比嘉具志堅華絵通信員)