芸能・文化

手話交え喜劇に新風 吉本興業の大屋、企画「劇団アラマンダ」

手話を交えた演技で観客を沸かせた劇団アラマンダの(右から)ちあき、大屋あゆみ、島袋忍、ゆか。手話通訳士の大嶺文子さん(左奥)=17日、那覇市のよしもと沖縄花月

 手話を交えコメディーを演じる「劇団アラマンダ」が17日、那覇市のよしもと沖縄花月で旗揚げした。「劇団―」は聴覚障がい者の両親を持つ吉本興業の大屋あゆみが企画した。ほぼ満席の客席には爆笑が起こり、大成功で幕を下ろした。大屋は「沖縄で広めて県外に持って行きたい。耳が聞こえない人にも娯楽の選択肢を増やしたい」と意気込んだ。

 「沖縄花月高校」の生徒あゆむ(大屋)は、担任の忍先生(島袋忍)に彼女がいるといううわさが気になっていた。高校近くのパーラー「アラマンダ」であゆむは、同級生のちあき(ちあき/ハイビスカスパーティー)と忍先生が怪しい雰囲気になっているところを目撃する。忍先生に恋するゆう子先生(岩田勇人/利根川ホプキンス)、ちあきの父親でプロダンサーの又吉(又吉ヒロト/利根川ホプキンス)が店に現れ、ちあきと忍先生の恋の行方に暗雲が立ち込める。

 出演者は、一部手話を交えながら全身を大きく使って物語を伝えた。太陽にふんした手話通訳士(大嶺文子)による同時通訳や劇場のモニターに映したシーン解説、舞台の転換時の照明変化を用いて、巧みに聴覚障がい者でも楽しめる舞台を成立させた。

 大屋は2011年に芸人を目指した時から聴覚障がい者に向けた、お笑い作りを目指していた。15年の「おきなわ新喜劇ツアー」台湾公演で、全員でこけたり銀のトレーで頭をたたいたりする吉本新喜劇にみられる王道の展開が台湾でも受けたことから「笑いに言葉はいらない」と感じたという。お笑いの大会で今年、全盲の芸人が優勝したことにも背中を押され5月から企画に取り組んだ。

 大屋の父の初夫さん(67)は「全部面白かった。動きがあり、分かりやすいし、楽しめた」「涙が出るくらい感動した。(娘には)自分の道を進んでほしい」と笑顔を見せた。

 劇団名は大屋の祖父の家に咲いていた花の名前から付けた。育ててくれた両親や祖父母への感謝を込めたという。

 客席は終演後、掲げた両手を振る手話の拍手で満たされた。アラマンダの回りを飛び回るチョウのように、ひらひらとやまない手話の拍手が劇団の船出を祝福した。

 他の出演は、店長(真栄城将/ピーチキャッスル)とゆか(ゆか/ハイビスカスパーティー)。



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