沖縄県内、選挙準備で大忙し 知事選など選挙集中、県民投票審査も


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
沖縄県民投票を求めた署名を精査するため作業に追われる名護市選管の職員ら=2日、名護市

 沖縄県内で9月に集中する選挙の対応に、各市町村選挙管理委員会が追われている。9月9日に26市町村で投開票が行われる統一地方選に加え、各選管は、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設の賛否を問う県民投票を求める10万筆超の署名の審査も行った。さらに翁長雄志知事の急逝に伴う県知事選や、宜野湾市長選が30日に実施される。選挙が集中する異例な事態に、各選管は臨時職員の確保など万全な態勢で臨もうと必死だが、「スムーズに選挙が実施できるか心配だ」との声も漏れる。

 職員が1人しかいない小規模自治体の選管では、署名の審査のために他の部署から応援を出して、手作業で確認している。担当者は「思った以上に作業が大変だ。通常業務をしながらの作業なので業務時間内に終わらず、毎日遅くまで残っている」と話す。

 20年前に辺野古移設の是非を問う市民投票を実施した名護市選管では、担当者が「その時の経験者がいないので、全くの手探り状態だ」と実情を明かす。「人手が足りない。1人の人間でどれだけの量をさばけるかが分からない」と作業を続けた。

 知事選の前倒しで、各選管には想定外の業務も加わる。石垣市選管は、11月の知事選に向け当日と期日前投票所を押さえていたが、9月に変更になったことで別の投票所を確保せざるを得ない状況に陥っている。職員は「市議選と同じ月に県議補選と知事選があるのは初めての経験だ」と語る。

 那覇市では、知事選と同時に県議補選が実施される見通しだ。約20日後には市長選が控える。相次ぐ選挙に備え、市選管は県民投票の審査には臨時職員4人を雇い、予定より6日早く作業を終えた。知事選の掲示板の足場を市長選でもそのまま使うなど、工夫で乗り切る。

 市選管の上原徳一郎事務局長は「知事選が先なので投票所入場券の送付が重なることはなく、有権者への混乱はないと思う」と話した。 (統一地方選取材班)