【済州島で清水柚里】28日に韓国済州島で初めて開催された「グローバル・グリーン・アイランド・サミット」のフォーラムでは、沖縄県、済州、ハワイ、海南の代表者が各地域独自の取り組みを紹介しながら環境保全の議論を深めた。代表者からは「気候変動で生物の分布域が変わり始めてきたのが問題だ」「観光客の増加で渋滞などの問題が出た。無制限には受け入れられない」などさまざまな課題が挙がった。
大浜浩志県環境部長は、海水温上昇によるサンゴの白化現象について説明。保全に向けた移植研究を進めているとし「高温で生きられるか研究している」と述べ、情報共有へ期待を寄せた。中国海南省の周学双環境生態保護庁技師長は「急激な経済成長により、環境配慮への時間が不十分だった」と島の状況を説明。一方、火力発電の新規設置を禁止し、最終的に全機を閉鎖するなどの取り組みを進めるとした。
米ハワイ州のドン・チン副知事は、全米で初めて州として、地球温暖化対策の枠組み「パリ協定」を順守するための法律を制定したと紹介。自治体単位の取り組みの必要性を強調した。
済州特別自治道のウォン・ヒリョン知事は世界自然遺産・漢拏山国立公園で生態系が変化していることを懸念。「次回のサミットまで日常的に交流し、共同研究などができたらいい」と展望を語った。