【島人の目】平成のラストサムライ


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 「平成のラストサムライ」。映画の題名ではない。最近、ロサンゼルス近郊で8人の有志が「日系パイオニアに感謝する会」を立ち上げ、同会を支援するオンライン・ネットワーク「平成のラストサムライ」を開始した。「思いを行動に」「過去に感謝し、未来につなぐのだ」と同志を募ったところ、わずか1カ月で、108人の会員が集まった。ネーミングや趣旨に引かれ、早速、私も100ドルの会費を納めて会員となった。

 ことし2018年は、1868年の明治維新と、153人の若者がサトウキビ農園で働くためにハワイに集団移住してから150年になる。そのうち、約3分の1は日本に戻り、3分の1はハワイに定住、残りの3分の1は米国本土に移った。

 その後も多くの日本人が渡米し、移民1世として米国で不当な人種差別に耐え、荒野を緑の大地に変えた。しかし、1941年の真珠湾攻撃後、日系人の苦労が倍加した。土地や家が没収され、日系人は収容所に入れられた。2世たちは米国への忠誠心を示し、それを証明するために軍に志願。第2次世界大戦で日系人部隊、442部隊として欧州戦線で勇敢に戦った。日本語を話す帰米2世はMISの一員として、戦後、日本の戦後復興に協力した。沖縄でも、豪の中で避難していた住民にウチナーグチで投降を呼び掛け、多くの住民の命を救ったエピソードがある。

 日系人を巡る歴史は数多くある。それら全てを含めてパイオニアに感謝をしようと、会を発起した8人の志は尊いものだ。米国生活48年になる私も以前から、米国に感謝し、そのような機会が来るのを心待ちしていた。
 (当銘貞夫、ロサンゼルス通信員)