【ニューヨーク】マンハッタンに沖縄の音 カンカラ三線奏者・理生さん 初海外、観客と一体感


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夢の海外公演を果たし、歌とカンカラ三線を演奏する印鑰理生さん=8月23日夜、米ニューヨークのCRS

 猛暑が少し和らいだマンハッタンの夕暮れに、懐かしいウチナーの音色が響いた―。カンカラ三線奏者の印鑰理生(いんやくりお)さん(16)のライブが8月23日、米ニューヨークのCRSで開かれた。理生さんが奏でるカンカラ三線に特殊な音響効果を加えた「ロック三線」は、席を埋め尽くしたニューヨーカーたちを魅了した。

 県立鏡が丘特別支援学校高等部2年の理生さんは、ボストンのバークリー音楽大の夏期講習を受講後、ニューヨークでの初舞台に臨んだ。

 舞台の袖から会場を見渡し「ニューヨークでこんなにたくさんの人が来てくれて」と、少し緊張した様子で話した。

 理生さんは、沖縄で出会った独特な音楽と、戦後全てを失った沖縄の人々が生み出したカンカラ三線にこだわりを持つ。ライブは、「世界を旅して、地球をもっと幸せな星にしたい」との理生さんの思いがあふれ出ていた。

ライブの最後をカチャーシーで締めくくる印鑰理生さん(右)

 ライブ会場に足を運んだハリス・アサヒ(27)さんは「私も音楽をやっているが、今夜の演奏はとても新鮮だった」と感動した様子。シェーン・リーシーさん(15)は「沖縄とニューヨーク、同世代の一体感に感動した」とほほ笑んだ。

 ライブには、シンガーソングライターのRi’oさん(14)がピアノを演奏した。最後は、恒例のカチャーシーで締めくくり、観客は終わりを惜しんだ。
 (比嘉良治通信員)