統一地方選に伴い琉球新報が1日までに実施した候補者アンケートで、女性議員を増やす改善策として、男性は「育児支援ルームの設置など議会内の支援拡充」を最優先に挙げたが、女性は「議員の男女比の制定」や「政党が女性候補者を擁立」など約6割が社会的な環境整備の必要性を訴え、男女の意識の違いが鮮明になった。また、男性は「女性の意識改革」と個人の問題と捉える人が多い一方、女性からは「社会や家庭内の意識改革」を求める声が挙がった。 (統一地方選取材班)
統一地方選には23日告示のうるま市議選を含め29市町村議選に男性449人、女性50人の計499人が立候補、または立候補を予定している。琉球新報社が8月28日までに実施したアンケートは、472人が回答(複数回答含む)。女性50人のうち48人が答えた。
2018年8月現在、県内11市の女性議員は37人(13・12%)、30町村では23人(6・62%)。女性議員ゼロの議会は、嘉手納町や与那原町、大宜味村など16町村。統一地方選で女性候補ゼロの議会は7町村ある。
女性議員を増やす改善策として、男性候補は「育児支援ルームの設置など議会内における支援拡充」(25・51%)との回答が最も多く、「その他」(19・54%)、「分からない」(16・78%)と続いた。
女性候補は、「公職選挙法を改正し男女議員の比率を定める」が31・57%、「政党が積極的に女性候補者を擁立」が26・31%と続き、立候補しやすい社会的な環境整備を求めた。
その他の意見では、「女性個人の理解と意識の問題」(40代、現職男性)、「被選挙権を行使しないだけ」(30代、新人男性)など個人の問題ととらえる声や、「改善する必要なし」(60代、現職男性)など女性議員が少ない現状を問題視しない男性もいた。
一方、「旧態依然として残る男女の役割分担を少しずつなくしていく」(50代、現職女性)や「子育ては女性がやるものという社会の考え方を改めなければならない」(30代、現職男性)など性別による役割分担の改善や、「男性の意識改革」(50代、現職男性)など男性側の変化を求める声も上がった。
男性候補の中に女性の意識改革を求める声が多いことに対し沖大の宮城公子准教授(日本文学・ジェンダー学)は、「個人の問題として歪曲(わいきょく)化している。現実への無関心と歴史を含めた男女差別への無関心だ。今の女性の環境や意識をつくって押し付けてきたのは男性側だということに気付いてほしい」と指摘。「今も平等ではない事実を把握して政治に乗り出してほしい」と要望した。