【石垣】9日に投開票が集中する沖縄の統一地方選で、石垣市議選(定数22)では、市平得大俣への陸上自衛隊配備計画への是非が大きな争点の一つとなっている。琉球新報が告示前に候補者30人に実施したアンケートでは平得大俣への配備(現行計画)に賛成する候補者が12人、反対する候補者が12人と同数だった。5人は賛否を明確にしなかった。また、1人は回答しなかった。
現行計画を巡っては、7月に中山義隆市長が配備受け入れを正式に表明した。防衛省も予定地での各種調査を進めている。一方、予定地のおよそ半分を占める市有地の売却には市議会の同意が必要なため、今回の選挙結果は配備計画の今後を左右する。
今回の市議選には与党系16人、野党系11人、中立3人の計30人が出馬している。与党系では12人が現行計画に賛成した。「慎重姿勢」とした公明の2人を含む3人は明確な賛否は示さなかった。1人は回答しなかった。賛成の理由には「先島諸島周辺の安全保障環境が厳しさを増している中、抑止力として必要」「大規模自然災害への対処も期待できる」「国防は国の専権事項」などがあった。
野党系は全員が現行計画に反対。10人は石垣島への配備自体に反対姿勢を示した。中立は1人が配備に反対し、2人は明確な賛否を示さなかった。反対の理由には「農業や島の水源として重要な場所」「地域住民が配備に反対している」などのほか、石垣島への配備は「周辺諸国の緊張をあおるだけ」などがあった。
また、2人が平得大俣以外の配備に前向きな姿勢を示すなど、島への配備自体には15人が賛成の立場を明確にしている。一方で、現行計画に賛成する候補者からも、地域住民とのさらなる話し合いの必要性を指摘する意見があった。 (統一地方選取材班)