人的被害や大規模停電など甚大な被害をもたらした6日未明の北海道地震。今のところ、県出身者や県関係者の被害の報告はないが、「余震が怖い」などと不安を募らせている。
「まるで戦争が起こったのか、竜巻で家が吹き飛ばされたのか。経験したことのない揺れだった」
札幌市在住の医師で北海道沖縄クラブ会長の堀元進さん(62)は、暗闇の中に突如響き渡る「ギシギシ」「ミシミシ」という音で目が覚めた。棚の小物が落ちたりしたが、大きな被害は免れた。直ちに訪問診療を受け持つ約100人の患者の安否を確認し、人工呼吸器を必要とする患者の受け入れ病院探しに奔走した。「災害時に一番困るのはお年寄りや病気を抱える人だ」。堀元さんは「患者のためにも一刻も早い復旧を願いたい」と話した。
東京の大学に通う比屋定真季さん(22)=那覇市出身=は、友人との旅行で訪れていた小樽市で地震に遭った。6日夜に東京へ戻る予定だったが新千歳空港の閉鎖、交通機関のまひなどで断念した。札幌市に住む母の親戚を頼り、小樽から札幌までヒッチハイクで移動し、一晩泊めてもらうことにした。比屋定さんは「明日、苫小牧まで移動できれば新潟行きのフェリーに乗り、東京に帰れるかもしれない」と望みを託した。
札幌市在住で北海道泡盛同好会副会長の石原昌則さん(61)=沖縄市出身=は地震発生後、SNSを通して道内の県出身者や関係者と互いに安否を確認し合った。現時点では被害情報はないと安堵(あんど)するが「今後何が起こるか分からず、予断は許されない」と自分に言い聞かせた。