沖縄県出身歌手の安室奈美恵さん(40)が16日、引退した。90年代半ばには安室さんのファッションをまねる「アムラー」が街にあふれる社会現象を生み、20歳で結婚・出産後、離婚や育児を経験しながら歌と踊りで魅了してきた。「平成の歌姫」と呼ばれ、アジアでも数々の記録も打ち立てた。音楽活動最後の地に選んだ故郷の沖縄には、国内外から多くのファンが関連イベントに集結し引退を惜しんだ。
安室さんは16日深夜、公式ホームページに「25年間ほんの一瞬でもファンの皆さんの心に寄り添える歌手でいられたなら嬉(うれ)しく思います。25年間ありがとうございました」とのコメントを掲載した。
15日には宜野湾市の沖縄コンベンションセンター展示棟で最後のライブを行い、全8曲を熱唱した。16日には同市トロピカルビーチで安室さんの門出を祝う花火ショーなどが開かれ、3万人以上の観客が集まった。
安室さんは40歳の誕生日の昨年9月20日に引退を発表。昨年発売したベスト盤CDは230万枚以上を売り上げ、10~40代の全年代でミリオンセラーを達成した唯一のソロアーティストとなった。ラストドームツアーは75万人を動員し新記録を達成。ツアーDVDとブルーレイは157万枚超で音楽映像作品で初のミリオンセラーを記録した。96、97年に日本レコード大賞を連続受賞。今年5月には県民栄誉賞を受賞した。
15日の最終ライブの模様は報道機関に撮影が許可されず、安室さん側が16日夜に写真を配布した。