長寿 島の宝 きょう「敬老の日」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 17日は「敬老の日」。仕事に励み、家族との和を大切にしながら100歳となる長寿者が表彰された。90代になっても、畑仕事に励みながら陸上競技に挑む元気な男性もいる。沖縄の宝であるお年寄りにあやかり、長寿の秘訣(ひけつ)を学びたい。

◇「できること自らする」 石垣 下里キヨさん(100)

 【石垣】「敬老の日」を前に、謝花喜一郎副知事と中山義隆石垣市長は16日、「お元気百歳あやかり訪問」として、100歳を迎えた石垣市登野城の下里キヨさんを訪ねた。表彰状と記念品を贈り家族らと共に祝った。下里さんは「体を動かすこと(が大事だ)」と健康の秘訣(ひけつ)を笑顔で語った。

あやかりの杯の後、謝花喜一郎副知事(右)に昆布を渡す下里キヨさん=16日、石垣市登野城

 石垣市の100歳以上で唯一、介護認定を受けていない。今でもバイクを自ら運転して趣味のゲートボールに向かうほど、元気はつらつだ。「じっとしていられない」と、できる家事は自分でこなす。ウオーキングやストレッチなども意識して続けている。

 スポーツ観戦も好きで、相撲や野球をテレビで楽しむ。好きな野球選手を謝花副知事に問われると「大谷翔平」と答え、「ひじの手術が―」と野球ファンの顔で会話を楽しんでいた。

 宮古島出身で戦前に台湾に渡り、戦後、与那国島を経て石垣島での生活を始めた。夫の故金市さんと農業に精を出し、子ども3人を育てた。今では孫9人、ひ孫8人にも囲まれ、幸せな生活を送っている。

 長女の砂川順子さん(68)は「草取りとかやらないでと言っても聞かない。とにかく動くのが好き」と苦笑しながら「健康のためにすごく努力してきたから今がある。良いお手本だ。やしゃごを見るためにも元気でいてほしい」と話した。

◇周りと交流欠かさず うるま・津堅島 源古盛昌さん(99)

富川盛武副知事(右)にあやかりの杯を注ぐ源古盛昌さん(左)=15日、うるま市勝連津堅

 【津堅島=うるま】「敬老の日」を前に、県の富川盛武副知事、うるま市の島袋俊夫市長は15日、「お元気百歳あやかり訪問」で、来年2月に100歳となる源古盛昌さん(99)=うるま市勝連津堅=を訪れ、表彰状や記念品を贈った。副知事から安倍晋三首相からの賞状も手渡した。

 源古さんは健康の秘訣(ひけつ)を「周りの人と常に交流し、雑談することだ。孫たちを集めて話すことも楽しい」と語った。好きな食べ物は魚で、毎朝散歩することも元気の源だという。新聞を隅から隅まで読むことも日課だ。

 富川副知事は「老人クラブの会長などを務め、津堅島に大きな功績を残した。沖縄は長寿の県を目指しており、その模範となる方だ」とたたえた。島袋市長は「家族のためにも島のためにも、これからも貴重な経験を指導していただき、今後とも末永く長生きしてほしい」と祝した。

 源古さんと妻・シズ子さん(89)には、子8人、孫17人、ひ孫20人、やしゃご5人がいる。源古さんは終戦後、宜野湾市普天間で軍作業や建設関係の仕事に従事し、65歳で津堅島に帰郷した。約20年間、津堅区老人クラブの会長を務めるなど地域社会の発展にも貢献した。

 ひ孫の普天間有司さんは、2008年第80回選抜高校野球大会で優勝した沖縄尚学の野球部メンバー。