「戦争がなければ平和?」 原爆、大戦を学んだ小学生の問いかけ


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研修の成果を基に、さまざまな視点で平和について発表する子どもたち=8月27日、南風原町立南風原文化センター

 【南風原】沖縄県南風原町内4小学校の6年生8人が参加した第24回子ども平和学習交流事業の本研修報告会がこのほど、町立南風原文化センターで開かれた。8人は保護者らの前で、7月31日から8月3日に訪れた京都や広島、大阪で原爆や第2次世界大戦などについて学び、研修した内容を発表した。児童らは「戦争がなければ平和なのか」と問い掛け、「人々が自分の個性で輝ける世界が平和だと思う」などとそれぞれの思いを語った。

 広島県のホロコースト記念館での学習について報告した仲宗根伊吹君(11)=南風原小6年=はヨーロッパで「ユダヤ人出て行け」というすごろくゲームが100万部売れたことに触れ、「ゲームによって民間人にも差別意識や偏見が強くなったと思う」と報告。「世の中を『なぜこうなっているんだろう』と考えることが大切だと思う」と語った。

 知念璃乃さん(11)=北丘小6年=は、9歳の時に被爆した豊永恵三郎さんの体験談について発表した。豊永さんと母親が被爆した時に、見ず知らずの人がキュウリをすり下ろしてやけどの手当てをしてくれた話が心に残ったという。

 知念さんは「そんな大変な時に人のために助け合えることが平和に必要だと思った」と訴えた。

 他にも広島県の平和記念資料館や平和公園でガイドの三登浩成さんの案内を受けたことや、被爆した袋町小学校やピースおおさか見学について報告があった。