名護漁協 全役員を解任 臨時総会賛成多数 「辺野古移設で不当行為」


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 【辺野古問題取材班】名護漁業協同組合は19日、臨時総会を開き古波蔵廣組合長や理事、監事ら全役員13人の解任を賛成多数で可決した。賛成48、反対31だった。古波蔵氏は名護市辺野古出身。新基地建設工事に関わる補償問題に携わり、沖縄防衛局との交渉の中心的存在だった。

 臨時総会は一部の組合員が役員改選を求めて開かれた。改選請求の理由書は「名護漁業協同組合理事会において、辺野古移設に関する事項について幾度に渡り怠慢な不当行為は組合への忠実義務違反であり、組合に対しても多大な損害をもたらし、その責任も重大」としている。
 琉球新報の取材に対し古波蔵氏は「選挙法に基づいて処理した。12年間お世話になった。補償問題には関わらない。もう引退させていただく」と答えた。一方漁協は、臨時総会や役員の解任について「一切答えない」とした。
 名護漁協は2014年5月、海域の埋め立てに伴う漁業補償金として約36億円を受け取る契約を防衛局と結んだ。新基地が着工した同年7月からは、海上警備に関わる警戒船で船長が5万円、船員は1万5千円ほどの日当が支払われている。16年11月には工事の進む大浦湾の漁業権放棄に伴い、漁協に6億円の補償金が支払われた。
 同漁協は16年4月現在、正組合員83人、准組合員34人が所属する。